コロナ禍を羽ばたく「PHOENIX」大黒摩季の2020年。Special interview

2020年も終わりかかってきていますけど、来年に向けての抱負や挑戦したいものはありますか?

大黒:50歳になったときに、「50th/50try」っていうスローガンを揚げたんですけど、コロナのせいで、いくつかはできなくなっちゃって悔しいんですよね。大晦日でまた51歳になるんですけど、この際だから「51th/51try」でそのまま切り込んでいこうかな、と思っています。2020年にやりたくてもできなかったことへのリベンジをしばらく続けようかな。あとは流れに身を任せるしかない、見えない新型コロナウィルスに息巻いたってしょうがないもん。だから今できることを、今最善で、思いきれた時にGo on!!するだけですね。ツアーもね、できるときとできないときがありますしね。だからもう変わらない。四年半前に活動を再開したその日から変わりない。今できることを有難くやるのみ。求められたことに応えるのみ。溢れ出てきたものは、できるだけ早く出す。歌的には「PHOENIX」の最後の曲、「走れ!走れ!走れ!」のストーリーに書いたけれど、私は自分を使い果たして終わりたい。今まで病気に阻まれて思う存分歌えたことがなかったからこそ、今、歌い手としては絶好調なんですよ!それまで何かに引っ張られて邪魔されてきたんですけれど、5年近くかけて体がやっとできてきて、はじめて歌い手の体になったなって思えています。嬉しくて嬉しくて練習も楽しくて、そしたら50で前後にキーが3音も伸びたんです(笑)。奇跡!!だから、わたしの体と声帯はどこまで歌えるんだろうっていうのを知りたい。

ここからまた新たなチャレンジですね。

大黒:なので今回の「PHOENIX TOUR」は最高レンジです。普段もCD通りはできているんですよ。だけどわたしが思う一曲一曲のクオリティは、歌いながらまた理想が高くなってしまったので、本当に日々挑戦しています。どれくらい私は歌い手として成長できるのか。でもこれはスポーツ選手と一緒で、退化するのは当たり前ですから。今さらわたしが成長しているっていうのは、病気で止まっていたからだと思うんですよね。ブランクがあったから皆さんより遅くにピークが来ているっていう、ラッキーなことです。どこまで行けるかはやってみたいと思っています。まるで少女みたいにまた追いかけてばかりだけれど私はこれまでの人生で一番、今の自分が好きです。自分を好きだときっぱり言える。だけどもっと好きになれたらいいなって思いません?自分のことを大好きでいられたら、相手や周りの人のことも大好きって素直に言えると思うんですよ。最近、大好き!って言えちゃってますし(笑)、すっごい好きとか面と向かって言えますから(笑)。それは自分も自分の作品も誰かの作品に感動するみたいに「大黒摩季最高!天才だ!」って思えたりもするし、その日は絶好調に盛り上がることもできる。その大きな濃い喜びを幸せというのかなと。若い時の自分に言ってあげたいですね。そんなに悩まなくてもいい、間違ってないよ!50歳のときに遅いけどご褒美みたいなピーク来るから頑張って!諦めないで頑張って!と(笑)

それまで頑張れと(笑)

大黒:そのままで大丈夫、そのままドロドロになって、それも全部自分のためになるから躊躇しないで、って。実際そうしてきたから今があるんですけど。多分女子として見れば、彼氏もいないし寂しいかもしれないですけど、人としてミュージシャンとしては相当幸せだと思います。音楽で生きていけて、チャンスの近くにいるし。ローズ君なんかは、まだ若いから何もかもが自分からチャンスに飛び込んでいかないといけないじゃないですか。私はこの場から素晴らしい沢山の仲間との縁をつたって、あれいいかもねってポンっとお誘いにのっかっていくことができる。それは積み重ねという確かな御縁。やっぱり過去より未来の方が断然いい。2021年は別の意味でちょっと楽しみ。ミュージカルもやりますしね~、女優に初挑戦です。(笑)

 

新たなる挑戦ですね。

大黒:楽しみって、大変さとか苦しみと並列であるじゃないですか。バンドメンバーもいないし、踊ったことないし、3行以上噛まずに読めたことないし(苦笑)、全然だめなんですけど、岸谷(五朗)さんができるって言い張るんですよね(笑)。自分を信じてだめだったんなら、自分を評価してくれる人を信じるべきだなって最近思うんですよ。自分の評価は自分が一番辛いじゃないですか。

 

楽しみにしています!!最後になんですけれども、この「BANZAI」を読者の方、ファンの方々、支えてくださる方に向けて何かメッセージをお願いします。

大黒:「BANZAI」っていうタイトルがいいですよね。バンザイしたくなるようなことしたいですよね。わたしは千秋楽が無事に終わったら、バンザイします。それか彼氏ができたらバンザイ(笑)無事に年越しができたらバンザイ。バンザイって、私よくやった!よく頑張りました!ってことを称えることだから、すごくいい言葉だと思います。バンザーイって両手上げるほどの喜ばしい瞬間を得たいねって思いません?わたしはバンザイしたいので頑張ります。「GET YOUR WAVE」の歌詞にもあるけど、途中でやめたらやらなかったと一緒だから。じっと待つかじっくり練りあげるか、この時期はね。愛と体と結果だけは一足飛びに手に入らないから、コツコツやるしかない。でもコツコツやった人には結果や成果という眩しいご褒美がもらえますからね。私はそれが好きですね。2021年、52歳の誕生日にはみんなで万歳三唱ができるようになりたいです。

ミュージカルも大成功させて。

大黒:そうですね。わたしのことだから波乱も巻きついてくるでしょうけれど(苦笑)、乗り越えた先はきっと素晴らしい風景ですよ。お酒は美味しいし、ご飯は美味しいし、見る風景はワイドになるし。やり抜かないと煌めかないんですよ。やり抜けば光るんです、キラキラと。自分が照明浴びずにキラキラ光ると、照明当てたい人が増えてくるんです。だから輝いていこうぜ、「Let’s☆Go!! Girls💋」って。「BANZAI」をご覧の皆さまも一緒にね、わたしの音楽と一緒に。最近カリスマとかそういうものに興味がないんですよね。私はみんなと手をつなぎながら一緒に歩いて行きたい。ときには引っ張って引っ張られてみたいな。この1年それぞれがバンザイできるような1年にしていただきたいなと思います。めげそうになったら、この「PHOENIX」を聞いて、ぜひ新型コロナウイルスを追い越していただきたいと思います。

ありがとうございました。

〜〜〜大黒摩季出演舞台〜〜〜

Broadway Musical「The PROM」Produced by 地球ゴージャス

脚本・作詞ボブ・マーティンチャド・ベゲリン

【音楽マシュー・スクラー】

日本版脚本・訳詞・演出

岸谷五朗

【出演】

葵わかな、三吉彩花、大黒摩季・草刈民代・保坂知寿(トリプルキャスト)

霧矢大夢佐賀龍彦(LE VELVETS)・TAKE(Skoop On Somebody)(ダブルキャスト)

岸谷五朗・寺脇康文他

東京公演2021年3~4月TBS赤坂ACTシアター

大阪公演2021年5月フェスティバルホール

<公式WEB SITE>

https://www.chikyu-gorgeou s.jp/the-prom/