十一月場所 大相撲の舞台

長年日本の国技として愛されてきた「大相撲」。相撲の興行といえば、2週間という長い期間で催される本場所。今年の本場所である十一月場所は、千秋楽など既に完売している日程も出ているほど。そんな大相撲世紀の戦いが繰り広げられる舞台や会場は力士たちの迫力を演出するかのように華やか。今回は十一月場所の会場ができる裏側に密着し、大相撲の熱量をたっぷり紹介したい。

手間暇掛けた土俵まわりの総仕上げ

十一月場所の準備は、本場所の担当を筆頭に5人の親方と日々を共に しながら作業を行い、10月末日に使用する部材搬入から設営がスタート。計11日間を費やし11月上旬にはすべてが完成。設営期間は1日の作業時間が9時間ほどで、スタッフは約130 0人にも及ぶ大規模な設営が行われているのだ。特に力士の戦いの場である土俵は、数多くの部材を会場内に設営するため、ほとんどが手作業。桝席も部品の数が多く、図面と一緒に過去5年間の写真を見ながら慎重に作業を進めている。そのほかにもNHKの放送席からインタビュールーム、そして土俵を覆う天蓋の設営まで、様々なエリアの設営も丁寧に時間をかけて行われている。

土俵を仕上げるには10トン車で約70台分の部材が必要である。また、土俵の土は約50トンと大重量なため、とても大がかりな作業となっている。

 

 

土俵祭りから戦いの風景が見えるまで

設営期間にスケジュールと格闘し、10 0時間以上の作業を経て完成した会場を見渡すと、スタッフも大きな充実感を得ているようだ。本場所前日に行われる土俵祭りで土俵が神聖なものとなり、いよいよ本場所がスタート。本番の期間も会場のチェックは毎日欠かさない。のぼりや桝席など会場内の確認は公演終了後にまで及ぶ。さらに翌日の取組表のセットなど、本番中は細かい作業が盛りだくさん。できるだけ多くの人に来場してほしい、そして相撲のおもしろさを体感してもらいたいという想いと安全安心を届けるべくすべての作業に手は抜かない。たくさんのスタッフ、親方や呼び出し、行司の方々と打合せを重ねながら設営している。

後方から見渡す桝席は、緻密な作りで美しさを感じる。多くのお客様が気持ちよく相撲を観戦できるように配置を工夫し、中央の土俵に目が行くように何度も話し合いをしながら設営している。

 

大相撲十一月場所

開催日:11月12日(日曜日)〜11月2  6日(日曜日)
会場:福岡国際センター
詳しくは、日本相撲協会ホームページまで。
日本相撲協会HP: www.s umo.or.jp/