鬼龍院翔(ゴールデンボンバー)インタビュー『もう紅白に出してくれない』発売 Vol.3

〜特に聴いて欲しい曲〜

江夏:今回のアルバムでこれを一番聴いてほしい、推したいという曲があれば。

鬼龍院:2019年に『令和』という曲を出して、わりとその時は盛り上がったんですが、今となっては別にその時期を過ぎれば歴史の仇花であり過去の時代の産物みたいなものなので、もう聞かなくてもいいかなと思ってるんで。過ぎてしまった後の冷め方って早いじゃないですか。クリスマスもそうだし。

江夏:(笑)。あー、そうですよね。

鬼龍院:聴いて欲しい曲だったら、YouTubeで再生数が伸びている『首が痛い』ですね。ヴィジュアル系のライブで頭を振ると首が痛いね、という当たり前な流れを歌にして、それをPV作ってYouTubeにアップしたら結構いい再生数いってるんで。何が流行るかはわからないんですけど、推すとしたらそれぐらいだなぁ。僕は全部の曲を自分でいいと思って作っているので、結局はお客さんや世間の反応を見て、ああこれが受け入れられるんだ、じゃあこれ聴いて貰おうみたいな感じになるので。

本来は曲作って全部YouTubeにアップして、どれが再生数が伸びているのかというのでリード曲というのを決めればいいと思うんですけど。そういった意味では『首が痛い』という曲を聴いて欲しいですね。

〜リスナーの耳を新しくしてゆくこと〜

江夏:僕も聴かせていただいたのですけど、『首が痛い』はタイトル的にめっちゃヴィジュアル系っぽい曲なのかなと思ったんですけど、わりと中身はEDMチックなので今風の一般層に向けているなというふうに思ったんですけど。ヴィジュアル先行で入って来たファンが一般層に寄せた曲も好きにもなるっていう、翔さんはそのパイオニアですよね。

鬼龍院:本来はヴィジュアル系バンドさんが新しい音楽を取り込んで受け入れられるようにしていくべきなんですけど、やっぱそれができる人間ってすごく限られているんですよね。僕もずっと自分が好きだった頃の音楽の再生が基本なので、あんまり新しいジャンルのチャレンジは出来てないんですよ。

でもヴィジュアル系バンドはそうしていかないと、ずっと一昔前の音楽のままになってしまいますよね。だからちょっと新しい音楽とヴィジュアル系っぽいなっていうのを混ぜてくれているバンドがいると僕は頑張って欲しいなと思うんですよ。

今度エナツの祟りと、夕闇に誘いし漆黒の天使達が対バンしますよね(1月8日開催『江夏フェス2020 冬』)。彼らってヴィジュアル系バンドとは言ってないですが、ヴィジュアル系のお客さんもすごい楽しめるし、でも音楽もちゃんと今時なんですよね。他ジャンルのライブハウスに通っている人も楽しめる激しさもある今時感。ああいう人たちがどんどんリスナーの耳を新しくしていってくれれば、ヴィジュアル系はこれからもどんどん続いていくのになと思いますね。

江夏:確かにそうですね。そうやって音楽を先導していくっていうのがミュージシャンですよね。使命というか。いろいろ聞かせていただきましたけど、他に音楽のことで伝えておきたい事はありますか?

鬼龍院:こんなに音楽のことを聞いてくれることは珍しいので、充分です(笑)。

江夏:(笑)。音楽について以前お話させていただいた時、すごく親近感を持たせていただいたので、ぜひ今後共いろいろよろしくお願いします。

2019年12月28日発売

ゴールデンボンバー NEWアルバム『もう紅白に出してくれない』

CD+DVD(EAZZ-5017)3,300円(税抜)

CDのみ(EAZZ-5018)2,700円(税抜)

新元号発表後に制作した新元号ソング。「令和」を含む15曲を収録!

 

※2020年新年号イベントマガジンBANZAIの記事を再編集しました。