ウィズコロナ時代を生き抜くエンタメ。バンドPsycho le Cémuの闘い方 前編

1999年に結成し、奇抜な衣装や、ジャンルにとらわれない音楽でヴィジュアル系のシーンを越えて人気を博したバンド、Psycho le Cému。
先日、20周年をむかえた彼らだが、ライブができないこの期間をどう過ごし、今後どう闘っていくのか? 話を聞いてみた。

―大々的に行う予定だった20周年記念ツアーに大打撃。

seek:ちょうど20周年のツアーがあって普段より予定されていたライブが多かったタイミングだったんですよね。2月23日に埼玉で行われたライブを最後に、件数でいうと20件ぐらいが延期、中止になりました。
21周年をむかえた記念日(5月3日)にメンバーだけですら集まれない状況で、いかに自分たちがライブというものに重きを置いて活動していたのか改めてわかりました。
リモートで自宅から、というのが解決策として多いと思いますが、まず僕たちは衣装もあってヘアメイクもあるので、まあ向いてなかった(笑)。そもそも他人に触れちゃいけないってことで、当初はヘアメイクもできませんでしたから。

Lida:ツアーも最初は延期の発表で、いつ再開できるかなと思っていたら、どんどん状況がひどくなっていって、最終的に全て止まりました。そんな中で、当たり前にやってきたライブが大切なものだったんだなって改めて思いました。

seek: そんな中で、自分たちに今何が出来るか、毎日のように考えてました。状況が日々変化していったので、中には発表しないまま消えてしまった予定もたくさんあって、ギリギリまで待ったけどやっぱりダメで、の繰り返しでした。
記念日には、お客様から思い出の写真をたくさん送っていただいて、モザイクアートを作りました。

 

 

seek:4月ぐらいに、オンラインライブをやろうという話が出て、やっぱりPsycho le Cémuって本当に芸達者なメンバーが多いんですよね。まずシナリオはこんな感じにしよう、それにあわせてAYAさんがBGM作ってきて、Lidaさんが敵のキャラクター作ってきて・・・ってアイデアがどんどん出てくるんで、それは強みですね。

Lida:先の事を考えて切り替えた時に、原点に立ち返ったよね。元々、音楽性がって集まったグループじゃなくて、衣装のデザインとか、衝動的に始まったグループだったなってところに立ち返って、それでようやく今後のことも開けてきたというか。

―ライブの代わり、ではなく、新しい楽しみを見つける。

seek:10月2日にはZepp Tokyoでの無観客ライブを予定しているんですが、この日はデビュー記念日なんです。なので、元々はお客様ありでのライブを目指して準備してきたんですがやっぱり難しいということで、無観客で配信を行うことになりました。
やっぱり今までライブに重きを置いて活動してきたので、ライブの代わりに何かをやるとか、代わりになるものを作るとか、そうは思いたくない部分があって。

Lida:新しい武器を手に入れた感じよね。会えないことが辛いというのはもちろんあるとして。無観客配信であるデメリットはあまり感じてないです。ライブとはまた別物。

seek:比較対象として、ライブDVDと比べてしまうと思うんですけど、しっかり編集されているものと比べると満足度が低くなってしまう部分もあると思います。やってる側としては収録に近い感じかな。

Lida:でも収録ともまた違うよね。収録なら、立ち位置も動かないけど、ライブだから動いて、被りも出てくる。何度かやって勉強になったよね。特にストイックなバンドならただ演奏を見せる、というので完結できるけど僕らはそうじゃないから(笑)

seek:カメラマンに対するアピールの仕方というか、「このあと俺やぞ」という圧のかけ方もだいぶ分かってきましたね(笑)。YURAサマがまたうまいんですよね。普段のライブともまた違うアピールというか(笑)。

Lida:勉強になる(笑)。

―オンラインライブのメリットと、立ちはだかる壁。

seek:何度かやってみて、配信の壁にもぶち当たりました。ライブなら、前で見たいとか席が埋まってしまう心配とかがあって、発売日すぐに買ったり先行販売の意味があるんですが、配信はよくも悪くも急がなくていいんですよね。下手したらすぎてからも買って観れるので、ライブ3日前までチケットが売れないこともありました。
ファンの方が知る必要がないことではあるんですが、そうなると予算が立てられなかったり、まあとにかくこれは心臓がもたないな、と(笑)
もちろんそうだからこそ、通勤通学途中に観れるとか、地方の方でも気軽に観れたり、中にはご家族でいっしょに見てくださったり、新しい楽しみ方のメリットもあります。
ただ、いずれ見ようと思ってくださるのであれば、ぜひ早く買っていただきたい、そんな気持ちを込めて今回10月2日のオンラインライブには、先行販売でCDがついてくるチケットを販売しました。
これも一つのお試しですね。

Lida:平たくいうと、もうコロナとは共存していくしかないと思うんですよ、地球上にいるからには、終息したとしてもまたいずれ新しいウイルスが来るかもしれないし、今回のことを教訓にして日々新しくしていくしかないですよね。誰かがワクチン早く作ってという気持ちもわかるけど、自分たちもその中でできることを探し続けていく。

seek:ファンの方の要望で、VRで見たいとか、マルチカメラで見れるようになるとまたライブに近づくっていう意見を耳にするんですけど。

Lida:そんなシステムとかも今後急激に発達しそう。だって今オンラインでミーティングとかライブとかやってること自体がこの数ヶ月で急に発達してる。

seek:近未来がいきなり来た感じしますよね。

Lida:それこそ各地域で同時中継みたいな、すごく規模のでかい、配信ならではのフェスとかも今後あるかもしれないよね。

seek:「Psycho le Cémuならでは」を突き詰めていきたいですよね。

Lida:ファンの方も、バンドと共に成長してきてる方達なので、しっかりしてる方も多く、やっていることを見守って応援してくださってる方も多いです。
でも、ファンの目線になって考えた時、今までライブに重きを置いてきたので、気持ちが切れてしまう人も中にはいるのでは、という不安はあります。それでも自分たちは常に発信し続けていくしかないな、と。新しい形を模索している最中なので、その気持ちが届いていたら応援していただけたらと思いますね。

ウィズコロナを生き抜くPsycho le Cémuのインタビュー、後編は10月25日更新予定!

過去のインタビュー記事はこちらから


2020.10.02(金)@ZEPP TOKYO
Psycho le Cému Online Live
「勇者物語〜神伝〜再逢いを探す旅 at Zepp Tokyo」

開場:18:30開演:19:00

チケット料金(9/4 21:00〜)
¥8500(税込)配信チケット+勇者物語外伝サウンドトラック8bit ver CD 先行発売期間: 9/18(金)まで
¥5000(税込)配信チケット

アーカイブ期間:10/11 23:59(日)

10月2日はサイコ・ル・シェイムのデビュー記念日。
「愛の唄」で鮮烈なデビューを飾った記念日を想い出の地、ZEPP TOKYOにて開催!!
先行配信チケットは前回行われた「勇者物語外伝」のサウンドトラックを収録した限定CD付き。(※CD単体での発売はありません)

公式サイト
https://psycholecemu.com/

公式ツイッター
https://twitter.com/PLC_official