音楽ライブ業界の考えるウィズコロナとは? コロナ対策を最強徹底するライブキャンペーンを開始するルイード×シミズオクト×エナツの祟り 鼎談 Vol.1

大型ホールやスタジアムで有観客ライブが再開され始めたが、ライブハウスは以前の活気を取り戻すには厳しい状況が続いている。そんな中、老舗ライブハウスグループのルイード、スポーツ・エンターテインメント事業社のシミズオクト、アーティストのエナツの祟りが、新型コロナウイルス(以下、コロナ)感染拡大防止対策を最強徹底するライブキャンペーンを開始する。それぞれの業界のプロである3者のこれまでに得た知識や経験とさまざまな機器を使い、今考えられるベストな方法でコロナ対策を最強徹底し、感染者を増やさないことに努め、お客様により安心してライブをエンジョイしていただけるように尽力する。
具体的には、衛生管理と換気のさらなる徹底に加え、ドアノブに手指を接触せず開閉できる仕組みの整備や飲料の個別化などの地道な工夫から、最新のサーモグラフィーや除菌機器なども活用してゆく。
本ライブキャンペーンを開始するにあたり、音楽ライブ業界の現状と課題、さらにアイディアや抱負を、3者の代表者に鼎談いただいた。

ルイード×シミズオクト×エナツの祟りの代表者

─音楽ライブ業界の現状と課題

清水佳代子(株式会社シミズオクト 副社長):コロナ禍の中で対策をしつつ、ライブイベントも少しずつ緩和されてきている現状ですが、今後はどのようにしていきたいですか?

落合壽年(ルイードグループ[株式会社アズミックス]代表取締役社長):今はコロナ対策をしつつですよね。エナツの祟りはまだ観客を入れてのライブは(FCイベント以外は)行っていないのですよね?  さまざまな制限がかかりながら行うライブは、想像としてどうなのですかね?

ルイードグループの代表の落合壽年さん

ルイードグループの代表の落合壽年さん

江夏亜祐(エナツの祟り リーダー・Dr.):僕らエナツの祟りはずっと、お客様がいい意味で「ああ疲れた!けど楽しかったね!」と思っていただけるぐらいに全身で思いっきりライブをエンジョイしていただけるようなバンドがやりたくて活動してきました。何故そういうライブをやりたかったかと言うと、僕は若い頃からそういうライブが好きで、僕の書く音楽も青春のラブソング的なものなので、その若い感覚を保っていたいので、バンドもライブも熱気を感じさせるものにしたいというのがあるのですよ。
でも今はそういうライブはできないですよね、コロナの有効薬やワクチンが出来て実用性が高まるまでは当分難しいですよね。ではそれに代わるライブとは何か、お客様が熱い気持ちになれて楽しめて満足感を得られるようなものは何だろうというのをずっと探っています。
こればかりは試してみないとお客様の反応は本当にわからないですよね。それをこのキャンペーンの5ヶ月の中で見つけられたら本当に良いなと思います。そんなにすぐは見つからないとは思うのですけど、このライブキャンペーンの第1回から段階的に満足感を上げていけるかというのが今回の企画での僕の課題ですね。お客様の満足度をよりコロナ禍前に近いものにしておうちに帰してあげられるかなというのが。

エナツの祟りのリーダー・Dr.の江夏亜祐さん

エナツの祟りのリーダー・Dr.の江夏亜祐さん

落合:ほぼ同じですね。答えがやっぱりなくて。僕らも3月ぐらいからちょっとやばいなとなり、4月からは殆どライブイベントを自粛しています。その時によく考えたのが、果たしてコロナが収束したらライブハウスに客足は戻って来るのか、人の心理としてどうなのかという事です。コロナ禍前と同じようにやれるのかという不安がずっとある訳ですよ。今も答えが出ていないのですけど。
ただ、人間って多分祭りが好きなのですよ。じゃあ祭りはなくなるのか。来年の花火大会などはなくなるのか。コロナ禍前のような人の集まりや盛り上がりが今後ずっとないかと言うと、それは有り得ないな、と。そこから辿っていくと、ライブハウスで集まり群れて盛り上がるのは、そんなに先ではなくやれるのかなと思っていて。
ただ難しいのは今なんですよね。今この時期にどう楽しませられるかというのは、答えがないんです。やらないと見えないので、やっていく過程でどうしていくか、それを見出せたらいいな、というのは同じですよね。
いろいろな意味で不安はすごくあります。それは感染者が出る出ないの不安もありますが、お客様が心理的な不安や抵抗感なく心底楽しめるかどうか。例えば地下に行くのをちょっと躊躇ってしまうとか、本当は楽しみたいけど中に入って大丈夫なのかなといった気持ちを払拭するには……。払拭できないかも知れませんね。でも少なくとも、今回のライブキャンペーンではさまざまな対策機器を用意するという事も含めて、お客様が気持ち的には多少その瞬間の不安を忘れる事が出来たら。そして結果的にも感染者が出ない、というのが良いですよね。

江夏:夏は温度が高く汗などの対策が大変ですが、秋冬はコロナだけではなくインフルも増えてくるので、その対策も必要ですね。

落合:うちは発熱している方は全てお断りしています。もう何人も入口で帰っていただいていますよ。たとえ出演者であってもです。「出直してくる」なんて言い出す方もいますが、絶対にダメです。発熱していてもコロナとは限らないのですが、全てお断りしています。

─課題を解決するために奇抜なアイディアを考えた事も

落合:現実的ではないとは思うのですけど極端な話、お客様全員に入口で防護服を着ていただいて出る時に脱いでという形にすれば、お客様に安心を与えつつ入場可能な人数を増やせるのでは? というアイディアを考えた事もあります。

江夏:それめっちゃ面白いですね。

清水:やっぱり入場可能な人数を増やしたいというのはありますか?

落合:ありますよね。

清水:みんなが来たいと思っているのに入場可能な人数を増やせないのは寂しいですよね。どうしたらお客様に安心していただける形で入場可能な人数を増やせるか。こうすれば出来るという方法を見つけたいですよね。

江夏:現実的かどうかは別として、僕が今年5月~6月頃に考えていたのは、2週間のツアーを組んで、アーティストもお客様も全員ホテルに入っていただき、2週間は毎晩メンバーがホテルの各部屋にリモートでライブ配信し、最終日に全員陰性だったら、ぎゅうぎゅうに詰めてもリアルでライブを行えるんじゃないか、そんなのが出来たら面白いなと思っていたのですが。2週間仕事を休める人が100人とか200人いないと行えないので、これはまあ現実的じゃないなと。それぐらいに対策しないと、もうライブは出来ないんじゃないかと考えたコトさえもありましたね。

─今回のライブキャンペーンで目指すもの

清水:しっかり対策しながらもお客様をどうやって楽しませられるかなというのはありますよね。今回のライブキャンペーンの間に、毎回いろいろな事を試したいです。もちろん感染しないさせないというのが第一義なのですが、ではどうやって楽しませられるかと今考えているのは、テレビ始め各メディアからも大変な反響をいただいた、エナツの祟りが考案したキャスター付きで動かせる飛沫防止パネルBOX(下の動画参照)をさらにショーアップする事を考えています。

その他にも、ウイルス対策や除菌作業もかっこよくショーアップして観せるというのも、やってみたいですね。感染防止対策は当たり前なので、お客様の目に見える形で行って安心感を与え、さらにエンターテインメントとしてお客様に楽しんでいただけるようにする工夫をエンタメの会社として行いたいですね。

シミズオクト副社長の清水佳代子

シミズオクト副社長の清水佳代子

落合:いいですね。やりましょう。

清水:何か私たちの知識や技術で出来る事があればと思っての今回のコラボなのですが、ルイードさんは第1回会場となる青山RizMを視察させていただいても、元々が非常に綺麗ですし、お手洗いの入口にもアルコール消毒液を設置し、ドアノブを触る際もアルコール消毒液の使用を呼びかけるバネルを設置するなど、私達が思いつくような対策を既にしっかりなさっていますよね。なので今回のライブキャンペーンでは、その対策をさらに目に見える形にし、お客様に安心と楽しさをお伝えしたいと思っています。

落合:理事を務める特定非営利活動法人日本ライブハウス協会へも、マスメディアから「今ライブハウスはどのような対策をされていますか?」というような問い合わせは度々あります。そういった意味でも動向が注目されているかと思います。
アーティストのパフォーマンスがそんなに制限されず、それでいてコロナ対策もしっかりされているようなライブのやり方を、今回のライブキャンペーンで見出せたらと思っています。どうしても何かしら制限される今の状況下ではソーシャルディスタンスも確保しないとならない。ではその距離感をもう少し詰めていくためには何をしたら良いかというのもありますし。
演者とお客様との関係性でも、声出しがダメならどうすれば良いか、声を出すためにはどうしたら良いかというのもあります。そういったものを今回見出させたら良いなと。どれだけコロナ禍前の状況と近い形で今の状況でやれるか、しかもしっかり対策もされているという形をライブハウスとして見出したいですね。

江夏:僕らエナツの祟りは、わりと何でもありなバンドなので、今回のライブキャンペーンの中でいろいろやってみたいなと思っています。毎回さまざまなアイディアにトライし、他のバンドでも受け入れられる形や、お客様のより満足度が高い形を作れたらいいなと思っています。
僕らも先日、新曲のレコーディングや初の音楽テレビ番組出演(プレミアmelodix!)の収録のために、事前にお客様の声をリモート録音でお寄せいただいて、それをリミックスして使用したのです。叫んでも良いしメッセージでも良いし、何でも良いから自由に入れて送ってくれ、と呼びかけて。そういうのも面白いんじゃないかなと思っていて。
今回は新技術を活用しても良いし、もっと単純な方法でも手軽に行えるのではないかと考えています。この辺りもテストしてみたいです。


ルイード×シミズオクト×エナツの祟り コロナ対策を最強徹底するライブキャンペーン
【日程】2020年11月17日(火)青山RizM/12月17日(木)青山RizM/2021年1月8日(金)赤羽ReNY alpha/3月12日(金)赤羽ReNY alpha/4月2日(金)渋谷REX/5月1日(土)渋谷REX

ルイード×シミズオクト×エナツの祟り コロナ対策を最強徹底するライブキャンペーン

第1回 青山RizM
【日時】2020年11月17日(火)青山RizM 開場18:30、開演19:00
【出演】OA:ハチャメチャ声優ユニットSTEM、エナツの祟り、ゲスト:山本恭司(BOWWOW、ex-VOW WOW、WILDFLAG)
詳しくはこちら https://t.livepocket.jp/e/bidpn


ルイードグループ(株式会社アズミックス):1972年、「RUIDO」を新宿にオープン。コロナ禍の影響を受け、11年間営業した「池袋RUIDO K3」は2020年8月末日で営業終了。15年間営業した「新宿RUIDO K4」は9月末日で営業終了。「渋谷RUIDO K2」「大阪RUIDO」は営業継続予定だが、感染状況によっては予断を許さない状況も考えられる。「RUIDO」の灯を消さないためにもルイードグループ8店舗で奮闘中。2022年には「RUIDO」生誕50周年を迎える。https://ruido.org/

株式会社シミズオクト:昭和7年(1932年)創業。舞台美術や会場設営、警備、運営、施設管理業務など、イベントに携わる全ての道のプロフェッショナルが揃ったスペシャリスト集団。コンサート、展示会、博覧会、野球・サッカーの公式試合やその他スポーツの国際大会等、様々なイベントの快適性や安全性をサポートし、企画から設営・運営までトータル事業を行う。https://www.shimizu-group.co.jp/

エナツの祟り:バブリー系エンタメバンド。ビートたけし命名“ジュリアナの祟り”から、「令和のバブルを呼び起こす!!」ため令和改元と同時にバンド名を“エナツの祟り”に改名し、『バブリー革命 ~ばんばんバブル~ 令和バブル盤』で2020年1月9日に再メジャーデビュー。https://tatari.tokyo/


※本鼎談は2020年11月7日に行われたものです。